サイズ：ちょうどよい、重量感：軽い、生地：普通

これまで、ターサーやライトレーサーなど、軽くてソールの薄いシューズを履いてきました。65歳も過ぎたので、足のけがも心配になり、ソールが厚くてショックを吸収してくれるものを探していました。 このシューズは、ソールの厚みがありつつも、同時に「スピードを維持する走行効率性に優れた走りを追求」しているということだったので、買ってみました。 履いて最初に走ったときには、足元がフワフワして変な感覚でしたが、慣れると快適でした。きちんとかかとで着地し踏み込むと、自然と反発があり身体を前に運んでくれる感じでした。疲れていても、手をしっかりと振って、かかとできちんと着地しさえすれば、あとはシューズが身体を前に運んでくれる、そんな感覚です。 スマートウォッチを付けて走っているのですが、同じように走っていても、確かにこれまで履いていたシューズよりも、速く走ることができました。 「手をしっかりと振って、かかとで着地」ということを意識するようになったので、フォームも良くなった気がします。 色もかっこよくて、大満足です。足が幅広なので、wideサイズでぴったりでした。重さも思っていたより軽くてびっくりしました。

大宅壮一ノンフィクション賞受賞作品。是非とも多くの人に読んでもらいたい。 　2008年、福島県いわき市の漁業会社が所有する第58寿和丸が沈没した。国の調査報告書では、沈没の「原因は波」とされた。事故から11年後、作者はこの事故のことを偶然耳にした。17名の命が奪われ、当事者が10年以上経っても「おかしい」と疑念を持っていると知り調査を開始した。 　同業者であるジャーナリストからは、「古い事実をなぜ蒸し返すのか」などと言われたという。しかし、事故や事件の記録がいつも「強い者」が作成する報告書などによってのみ「正史」として記されるのはおかしい。 　この本は、漁船を所有していた会社社長野崎哲さんの話でもある。野崎さんは、実は福島県漁連の会長であり、その後原発事故のトリチウム水問題で忙殺されることになる。 　国は、トリチウムを含む水に関しては、「関係者の理解なしにいかなる処分も行わない」と約束した。しかし、いま国は、そんな約束などなかったかのようにこの夏以降のトリチウム水の排出計画を進めている。 　ここでも当事者の声は届いていない。いや、そもそもまじめに話を聞こうとさえしていないように見える。

魔法のｉらんどの小説大賞2022で、特別賞(文芸総合部門）をとった小説の書籍化です。 吉原の文化や歴史などをしっかり調べて書いてあり、とても面白かったです。 時は、260年という長きに渡る江戸時代が終わりを告げた、明治の始め。 近代化という名のもとで「西洋化」が推し進められ、神仏やあやかしは非科学的なものとして否定されたり、軽んぜられた時代。 太平の世で花開いた江戸の文化も廃れつつありました。 そんな中で、吉原から行く当てもなく逃げ出した女の子が、あやかしの遊郭で暮らすことになり、共に悩みながら人の世とあやかしの世を繋ぎ、自分の生きるべき道を探していくというお話です。 古い時代のくるわ言葉を話す、可愛らしいふたごの猫の禿（かむろ）など愛すべきキャラクターも良かった。 このふたごの猫の禿など、あやかし遊郭の愛すべきあやかし達にスポットを当てて、また、違ったストーリーも期待したいところです。

ある意味、結末は見えているのですが、面白くて一気に読んでしまいました。 とにかく歌劇が第一という少女。 そのひたむきさが小気味よかったです。 歌劇を演じる主人公の描写が見事！ 作者はきっとミュージカルや演劇が好きなんだろうなと思いました。 作者が楽しそうにこの小説を書いている姿が目に浮かびました。 細かい伏線を、最後まできちんと回収しているところも好感が持てました。

とても面白かった。 少しまわりの空気を読めないところがあるが、とにかく演ずることが大好きで、一途に歌劇に打ち込む少女。 欲や陰謀が渦巻く後宮の中を、その真っ直ぐさで切り開いていく。 ハッピーエンドで終わるかと思いきや、最後に波乱が。 ２が楽しみです。