サイコパス/中野信子
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サイコパスは身近にいる!
2017/5/29
サイコパスは身近にいるという事実には驚きです。 サイコパスは悪いことをしてもそのことについて悪いと思わない。という精神的に少し普通ではない状態の人のことのようです。しかし、これには人によって程度がことなっているようで、強弱はあるようです。 その存在は身近で、しかもかなりの社会的地位の高い人に多く存在するというのです。それは、このサイコパスの特徴である悪いことを悪いとは思わないということから来ているようなのです。つまり、私たちは普段、こんなことを他人にいうとその人が傷つくんだろうなと思って言わずに済ませたり、すること多いですよね。でも、このサイコパスの人たちはそんなこと御構い無しでどんどん発言しますし、生まれながらにもっている負けん気の強さと集中力で、人を押しのけ出世したり、高いャリアを積み、社会的な評価も高くなっていることがあるのです。そのがむしゃらな姿は時に魅力的に見えることもあるので、一定の支持も得られるというのです。そういえば、こんな人はいるいると思ってしまいますよね。 悪いことは悪いと思わない人たちなので、要注意なんですが、身近にいるよって教えてくれているいい本です。
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宝くじで1億円当たった人の末路/鈴木信行
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こんな本だったの?
2017/6/26
本のタイトルからすると、宝くじで1億円当たった人たちを追いかけて、当選後の人生はどんなものかを書いているのかと思いがちですが、そうではありません。まあ、当選後どうなったかをよく知っている、評論家にその辺のところを聞いて、その末路について書いているのです。残念ながらというか、予想どうりとうか、なんかそうであったことが逆にうれしいみたいな感情なんですが、宝くじの高額当選者の末路というのはあまり幸福とはいかないようです。 そして、この本は、宝くじの話だけではなく、いろんな人生の選択をした人の末路についても書かれています。いわゆるキラキラネームをつけられた人の末路、若い時期にバックパッカーとして世界を旅行した人の末路などなど、普通に人生をすごしていては体験できないことをした人の末路について書かれています。 そのことを体験したことでその後の人生があまりうまくいかないみたいよ。ってことも書かれているし、大してその後の人生に影響ないよってことも書かれています。でも、本を読んで思うんですが、やはり、何人かの宝くじの高額当選者にインタビューして、幸せですかって聞いたものを読みたいですね。
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罪の声/塩田武士
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グリ森事件の真実も知りたい!
2017/5/29
グリコ森永事件にヒント得て、書かれた本です。もちろん、フィクションですが、多くのところでグリコ森永事件で行われた、犯行声明文や脅迫状。警察の捜査などはその当時の報道をもとにして構成されています。なので、グリコ森永事件も本当にそうだったのかもと思いながら、読み進めていくことができます。 グリコ森永事件でも本当にあった、子どもを使った、犯行声明と脅迫が録音されたテープ。それを発見した、その当時録音に参加してその当時の記憶がなくなっていた、少年がたまたま、その録音テープを発見したところから、お話がスタートします。それと同時に新聞記者の主人公阿久津は、この本のなかでは「ギン萬事件」となっている、事件の特集記事を書くために取材を開始します。取材のなかで、特ダネをみつけていき、真実を真実にたどり着き、ついには犯人を発見した、主人公。でもその犯罪に関係したものたちのあまりに悲惨なその後人生もこの小説では描かれています。 本当のグリ森はどうだったのか。真実を知りたい。ちょい前にNHKでやっていた未解決事件シリーズ。こっちもまた見たくなりました。本当に面白です。
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暗幕のゲルニカ/原田マハ
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おろしろいよ。でも予定調和すぎな感じも
2017/6/26
作者のマハさんは大学卒業して、商社に勤め、その後、海外も含め幾つかの美術館で仕事をして、現在の作家をしているという人です。だから美術に関する知識が豊富なんです。その点は非常に勉強になるし、面白く読ませてくれます。 作品の中は、ゲルニカが作成されている時期のピカソとその時にそばにいた女性との話と、9.11テロが起きたニューヨークのお話が交互に展開されていきます。ピカソがいかにこのゲルニカを世に送り出そうとしたのか、また、9.11テロを受けて、戦争や平和についての美術展を開催し、その展覧会の目玉としてゲルニカをなんとかニューヨークに持ってこれないかと奔走する美術館職員たち。その様子が交互に描かれています。でも、平和に対する思いというか、戦争に対する憎しみは同じというのがこの本のメッセージなのかもね。と思いました。 途中、思いもよらない展開もあります。そしてそこからの脱出、最後は展覧会に向けての華々しい、記者会見となるんですが、最近の小説は記者会見落ちっていうのが多い気がしますね。
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沖縄の米軍基地 「県外移設」を考える/高橋哲哉
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護憲・平和主義者よ、よく考えろ!
2017/6/7
僕は反戦で護憲・平和主義者だと思ってきたし、今でもそう願っている。 でも、それがかなりのタチが悪いと、この本の筆者は強く主張している。その活動が沖縄に米軍基地を押し付けている原因の一つになっているのだと。 今の日本では、日米安保が非常に重要だと考えている国民が多い。それが今の日本の平和を作っているんだと。でもその日米安保を担保しているのが日本にある米軍基地である。その米軍基地のほとんどは沖縄に存在している。というか沖縄以外の日本国民が沖縄に押し付けているというのが現状だろう。そんなに重要な日米安保なら、沖縄以外で基地ををひきとれよと大変ごもっともな主張もしている。本当にそう思う。でも僕も含めて、沖縄以外の人たちは沖縄に対して、権力的沈黙によって、沖縄の声を無視しているだ。その中には、反戦・平和・護憲を主張してきた人たちも同罪であるのだ。同じく沖縄を無視してきたのだ。まずは、沖縄の基地負担を減らすためには沖縄以外で引き取るしかない。この本を読んで強く思いました。
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犠牲のシステム福島・沖縄/高橋哲哉
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僕たちは無意識のうちに差別している!
2017/6/7
僕たちは無意識のうちに、一部の人たちを差別している。非常に反省させられる本でした。 電力のために、原子力発電所を一部の地域に押し付け、安全保障のために、米軍基地を沖縄に押し付ける。そのことをこの本では、犠牲のシステムと読んでいます。しかも、それの犠牲のシステムは私たちが無意識のうちに存在しているシステムなんです。でも、本当に無意識なんでしょうか。犠牲を強いられている地域の住民たちは、声をあげています。しかし、僕たちは権力的な沈黙をしているだけなんです。無視してやり過ごしているだけなんです。 その上、その犠牲の負担をなんとかしてほしいという抗議の声を、わがままだ、自分勝手だ、犠牲を被ってるかわりにかなりの補償をもらってんだろうっていう、偏見を帯びた意見を言ってしまう。一部の弱者に犠牲を押し付けるこのシステムをなんとかしないといけない。猛省をさせられるいい本だと思いました。
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人を動かす 文庫版/D・カーネギー/山口博
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数多くのビジネス書があれど、これが元祖
2017/7/24
現在、数多くのビジネス書なるものが発売されているけれども、これが元祖で、一番役に立つと思います。この本を読めば大方のビジネス書と呼ばれるものは必要ないのかもしれません。 この本は、タイトルでもあるように人を使うというのはどういうことか。人に動いてもらって、組織を効率的に動かすためにはどのようにするのかが書かれています。考えてみると、世の中で仕事ができるという人は、自ら率先して動く人というのではなく、気持ち良く人に動いてもらって、組織全体として有効に機能させることができる人だということです。自分自身で仕事を数多く抱えて四苦八苦している人ではありませんよね。そんな人は逆に組織としては有害で、仕事に押しつぶされて、その人自身にも不幸なことになります。多くの人たちに読んで欲しいと思います。 かなり、評価の高い本ですが、やはり、名著だと思います。
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革新自治体 熱狂と挫折に何を学ぶか/岡田一郎
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昔は革新系首長がけっこういた!
2016/12/22
革新系首長は、東京の美濃部、京都の蜷川、横浜の飛鳥田などが有名ですが、それ以前にも小規模な都市で多く存在して、実績も上げてきました。しかし、革新系首長は、福祉政策に重きをおく傾向にあるために、財政の逼迫を招いてしまいます。しかもその赤字財政の揚げ足を自治省が先頭を切ってやり、革新系首長と対立を先鋭化したというのには驚きです。 とは言っても、その業績の大きさをきちんと評価しないといけません。それまでの経済成長一辺倒だった地方の政治を住民の福祉中心に目を向けさせたということは重要な功績となっています。その上、革新系首長は住民に非常に人気が高かったという点も見逃してはいけません。特に女性や社会的弱者の人気は絶大だったようです。 この本を読んで、革新系首長を再評価する必要があると思いました。それが今の政治を良くする近道だと思います。良い本です。
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戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗/加藤陽子
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知っとくべき歴史の事実!
2017/5/29
この辺のことは知っとくべきだと思います。日本人の常識として。 新しい知識もいっぱい入っていました。特にリットン調査団の報告書の件なんかは、一方的に日本を批判したわけではなく、当時の国際的な状況を踏まえたかなり客観的なものになっていた。しかし、当時の国際的な環境をきちんととらえることなく、国際社会から孤立してしまい、とうとう戦争になってしまうという経緯は、非常に残念というか、やるせない気持ちに成ってしまいます。本当に外交というか政治というものは大事ですよね。政治家の問題というか、日本国民全体が反省しないといけない教訓だと思います。やはり、国際的な孤立はいけないんだ。戦争という手段では、成功しないんだということですよね。一つひとつの事実をきちんと丁寧に説明された、いい本だなと思いました。
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毎日クーポン有/ イスラーム国の衝撃/池内恵
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もっと早く読んでおくべきだった。
2017/7/24
もっと早く読んでおきたかったと反省しきり。この本が書かれたのが2年前でイスラーム国が不気味な存在として台頭してきた時期だ。そんな時に書かれたので、報道の内容の羅列がと思いきやそうではなく、きちんと学者としての分析。特に国際政治や中東地域の歴史を踏まえた上で、イスラーム国を分析している。特にイスラーム国がどのような成立したのかについての解説は秀逸でよく理解できる。すごく複雑な要因が入り混じってこの組織が出来上がっているんだけれども、整理されているし、最新の情報の入れられている。 この本が書かれた当初によんでおけば、僕ももっとイスラーム国が理解できたんだろうなと反省しきり。学者として矜持を見せてくれた本だと思います。いい本です。
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