消された水汚染　「永遠の化学物質」ＰＦＯＳ・ＰＦＯＡの死角 （平凡社新書　９９４） 諸永裕司／著 平凡社新書の本

日本ではまだあまり知られていない、PFOS、PFOAという有機フッ素化合物による水質汚染は、重篤な健康被害を及ぼすことが明らかになっており、アメリカでは裁判によって、それらの有害物質を流した企業に多額の賠償金を支払う命令が出ています。 そういったことからアメリカではこれらを規制する法ができ、数値が決められているのですが、日本ではどうなっているのか、これまで大きく報道されることがありませんでした。 本書は、朝日新聞の記者、諸永裕司さんの根気ある地道な調査をルポとして一冊にまとめたものです。多摩地域の広範囲に渡って地下水が汚染されていたということ、そして日本では法規制や対応が後手に回っているということが明らかにされます。また、調査の過程で、基地と日米地位協定の問題、縦割り行政、さらには権力側に阿る隠蔽体質の問題などが炙り出されていきます。 これらを読み進めていくと調査報道の大切さが伝わってきます。報道姿勢をとかく批判されがちな昨今、社会のためにと地道にお仕事されている記者さんもいることをもっと多くの方に知ってもらうためにも読んでほしい一冊です。 ぜひ手に取ってみてください。

長年現場で取り組んだ科学者による読みやすい書籍だと思います。久しぶりに、私たちが日常的に利用する水の危機を扱っています。行政がまだよくわからないで対応が進まないようです。様々なメディアで現在情報収集中です。

フライパン等に使われている素材が体に危険であるという事をはじめて知りました。井戸水も迂闊に飲めないと思いました。