黒い海　船は突然、深海へ消えた 伊澤理江／著 事件、犯罪ドキュメンタリー本

大宅壮一ノンフィクション賞受賞作品。是非とも多くの人に読んでもらいたい。 　2008年、福島県いわき市の漁業会社が所有する第58寿和丸が沈没した。国の調査報告書では、沈没の「原因は波」とされた。事故から11年後、作者はこの事故のことを偶然耳にした。17名の命が奪われ、当事者が10年以上経っても「おかしい」と疑念を持っていると知り調査を開始した。 　同業者であるジャーナリストからは、「古い事実をなぜ蒸し返すのか」などと言われたという。しかし、事故や事件の記録がいつも「強い者」が作成する報告書などによってのみ「正史」として記されるのはおかしい。 　この本は、漁船を所有していた会社社長野崎哲さんの話でもある。野崎さんは、実は福島県漁連の会長であり、その後原発事故のトリチウム水問題で忙殺されることになる。 　国は、トリチウムを含む水に関しては、「関係者の理解なしにいかなる処分も行わない」と約束した。しかし、いま国は、そんな約束などなかったかのようにこの夏以降のトリチウム水の排出計画を進めている。 　ここでも当事者の声は届いていない。いや、そもそもまじめに話を聞こうとさえしていないように見える。

まず筆者が女性ということに驚きです。数年に渡る取材は途中停滞もし苛立ちを感じたことでしょう。事件事故は風化しがちですが亡くなった船員やご家族は時が止まったまま。そう思うと胸が締め付けられる思いです。引き続き追求し続ける筆者の存在は大きな救い。はらはらしながら読み進めるとまだ原因が認められないまま終わってしまいました。 多くの船員さんのご冥福をお祈りいたします。

御巣鷹山の飛行機事故を思い出させる事故です。ミッドウェー海戦の生存者は油まみれになったそうですが、船の横っ腹があくとアブラまみれになるのでしょうね。

衝突原因から海洋生物を除外することについて、もう少しわかりやすい説明があるとよかったと思います。その可能性があると思っているわけでもありませんが。

発送までが早く、３日もせずに届きました。また梱包もキレイで、まったく問題ありませんでした。また本を探すときはこちらから購入したいです。

行き届いた手配ありがとうございました。まで読み始めなのですが、興味深く読んでおります。